10年ぶりの練習再開

正直なところ、完全に10年ぶりということではない。2010年にSKさんに個人的にコンタクトを取り、パラグライダーの練習を始めたが、いろいろとあって練習を中断していた。

当時は、ハーネスを付けないグライダー操作からエンジンをかけての立ち上げ練習まで進んでいたので、ラムエッティで練習を開始したとき、すべてが順調に進むと期待していた。しかし、現実は厳しく10年間のブランクは、過去の経験など皆無に等しいことを身をもって感じた。

8月3日、ハーネスをつけてのグライダー立ち上げ練習から始めた。風は秒速1,2mはあるのに、グライダーが思い通りに上がってくれない。まず、頭上まで引き上げて安定させることさえできないのだ。上がり方も左半分とか右半分だけが上がって、反対側がつぶれてしまう。たまたま良い風を受けて上がってくれても、すぐに落ちたり、左右いずれかに傾いて落ちたり、はたまた自分の頭上を通り越して自分の後ろに落ちたり、と散々だった。

社長兼インストラクターの荒井さんが、「オーバーコントロールになってるよ」とか「グライダーが落ちる方に歩いて」と何度となく的確なアドバイスをくれる。言われていることは頭では理解できるのに身体が反応していないことに気づき、愕然とする。練習はしていなくても、YouTubeやWebサイトの動画や情報に接していたので、手足は学ばず、頭でっかちになっていたのだろう。

そのことに気づいてからは、昔の経験はすべて忘れて、まったく新たな気持ちで取り組むことにした。初日の練習は、それに気づくことで終わってしまったが、とても有意義で、充実したものだった。

最後の立ち上げで、なんとか10秒弱空中に保つことができたのは嬉しかった。

akira kobayashi

小林 明
Akira Kobayashi

About the Author

1953年、広島県比婆郡(現庄原市)に生まれました。趣味は、映画鑑賞、パラモーター、セスナの操縦(免許はシンガポール大使館在勤中に取得)、スキー、居合道(全日本居合道連盟五段)等です。本職は明治大学で留学や国際教育について教えています。多様な海外留学・活動プログラムを企画実施したり、学生にアドバイスすることも大切なことです。