グライダーのセッティング
画面の左奥に吹き流しが見えていると思います。この角度からすると風速3m/s~3.5m/sあたりでしょう。好条件のもとでの立ち上げ練習ということで、まず、基本中の基本であるグライダーのセットについて見てみましょう。
グライダーを地面に置く前に、まず考えなくてはならないのは風向です。どの方向から風が吹いてきているのか身体で感じます。微風の時は地面におちている枯れ草などを拾い上げて、自分の身体の影響を受けない角度で上に軽く投げ上げてみます。それで大体の方向が分かるはずです。ただし、風は気ままですから、数秒後には違う方向から吹いているかもしれません。風の観測は常に必要です。
上空で広がっているグライダーを鏡に映したように下面を上に向けて、綺麗に整然と並べます。あまり風が強いと広げる端からめくれていくこともありますが、そんな時に練習するのは風が強すぎるかもしれません。吹き流しの上下動や左右への方向転換などには常に気を配りましょう。
まず、①束ねてもっているグライダーを地面に置きます。その時、グライダーの中央部分の空気の取り入れ口(エアーインテーク)を風の正面に向けていることが大切です。②グライダーのライザー(グライダー本体に繋がっているラインを束ねた部分)は中央から1,2メートル離して地面におきます。あまり引っ張ってグライダーから離しすぎると翼を左右に広げるときに草などにひっかかってしまいます。
③グライダーの後ろ側に回って、翼の先端(リーディング・エッジ)の中央を軽く持ち上げ、翼の後縁(テーリング・エッジ)が見えるまで風下に引いて広げます。その時、リーディング・エッジに繋がっているラインもAライザーから順に引っ張られるので、BやCライザーも順にグライダーの方へ引き寄せられます。グライダーからあまり離さないでおけば、ライザーまで引っ張られることはないでしょう。
地面に置いているグライダーを引くときは、できるだけ優しく扱いましょう。地面に接している翼の上面 (アッパーサーフェス/Upper Surface)が劣化することを極力避けるためです。持つ位置は空気を取り入れる口 (エアインテーク/Air intake)に指を入れてつかみ、そっと引き上げるようにすると良いでしょう。
④翼を左右均等に広げたら、ライザーの方に回り、両方を持ち上げて、ラインが絡んでいないか確認します。扱いなれるまでは、ラインの絡みを治すのに時間がかかり、時としてイライラします。しかし、基本的には、ブレーキ・ハンドルが所定のマグネット部分に付いてさえいれば、絡んで見えるラインは簡単に解消できるはずです。ラインの絡みや縺れとの格闘は次のブログを参照ください。
小林 明
Akira Kobayashi
About the Author
1953年、広島県比婆郡(現庄原市)に生まれました。趣味は、映画鑑賞、パラモーター、セスナの操縦(免許はシンガポール大使館在勤中に取得)、スキー、居合道(全日本居合道連盟五段)等です。本職は明治大学で留学や国際教育について教えています。多様な海外留学・活動プログラムを企画実施したり、学生にアドバイスすることも大切なことです。