60歳過ぎなんだけど大丈夫?

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 貴方が今何歳か分かりませんが、私の初フライトは2020年8月です。7月には67歳になりました。一概に大丈夫ですよということは言えません。確かに年齢を重ねるごとに足腰が弱ってきたなと、自分でも感じることがあるからです。

 若いころは、事務所の階段を2,3段飛びで何階でも駆け上がっていました。しかし、60歳少し前に駅の階段を上がっている時、自分の足ではないような違和感を感じました。筋力が落ちて1段ずつではあっても昔のようにスッ、スッと上っていないのです。これは大変なショックでした。

 パラモーターのエンジンユニットは、100㏄前後でも燃料を入れると25キロ程度になります。それは、小学校3,4年生の平均体重です。ご自分のその年齢のお子さんやお孫さんを背負って、風に向かって10メートルほど走らなければならないのです。こうして具体的に例えてみると、自分でもなんと大変なことをしようとしているのかと思えました。

 しかし、幸いなことに実際にその重さを感じるのは背負ってから、走り始めの2,3メートルだけなんです。なぜならグライダーが頭上に広がって前に進むにつれて浮力を発生するからです。25キロ前後の荷物の重みが一歩進むごとに5キロ、10キロ、20キロと軽くなると想像してください。まさにそうした感覚です。だから遅くとも離陸の瞬間は、荷重が0になり、逆に自分の身体が引き上げられるのです。

 とはいっても、風の強さによっては走る距離が10メートル、15メートルになるかもしれません。また、エンジンを背負い、グライダーのところまで歩き、ライザーをハーネスに付け、風向きを確認し、タイミングをみて離陸のために前に踏み出すまでの時間は5分前後はかかるはずです。だから、体力、筋力があるに越したことはないのです。

 あのエンジンを背負って走るという具体的な目標が設定された時、フィットネスジムに継続的に行くようになったのです。2018年12月3日に通い始めて1年半以上が経ちました。いまは階段での足腰の違和感はありません。炎天下エンジンを背負って、離陸直前までの反復練習を1日半ほどやりましたが、翌日あるいは2日後に動けなくなるほど辛いということはありません。

 結論から言うと、歳は自分で決めることができるということではないでしょうか。

akira kobayashi

小林 明
Akira Kobayashi

About the Author

1953年、広島県比婆郡(現庄原市)に生まれました。趣味は、映画鑑賞、パラモーター、セスナの操縦(免許はシンガポール大使館在勤中に取得)、スキー、居合道(全日本居合道連盟五段)等です。本職は明治大学で留学や国際教育について教えています。多様な海外留学・活動プログラムを企画実施したり、学生にアドバイスすることも大切なことです。